全日制高校から通信制高校へ転校を考えている生徒や保護者は、どう進めるかについての不安を感じることがよくあります。転校には、今通っている学校からの許可をもらうこと、新しい学校に申し込むこと、必要な書類をそろえて提出することなど、いくつかの必要な手順があります。さらに、勉強する環境や友達との関係が変わることも考えられます。これらの必要な手順や変化にうまく対処するためには、正しい情報とサポートがとても大切です。
全日制高校に通っている生徒が通信制高校に転校を考える理由は様々です。一つは、個々のライフスタイルや学習スタイルに合わせた教育を求めるからです。
例えば、部活動やアルバイト、趣味など自分の時間を大切にしたい生徒にとって、通信制高校の自由な時間割りは魅力的です。また、学校生活での人間関係に悩みを抱える生徒も、新しい環境でリセットしたいと考えることがあります。
通信制高校は自宅学習が中心で、学校に行く日が少ないため、ストレスを感じにくい環境を提供します。これらの理由から、生徒のニーズに合わせて通信制高校への転校を検討するケースが増えています。
全日制高校から通信制高校へ転校する際、いくつかの課題や懸念があります。まず、勉強の仕方が大きく変わります。全日制では先生やクラスメートと一緒に授業を受けますが、通信制では自分で計画を立て、自宅で独学することが多いです。この自律的な学習スタイルにすぐに慣れるのは難しいかもしれません。
また、通信制高校に対する社会的な誤解や偏見も問題です。一部では、通信制高校は学力が低いとか、問題を抱えた生徒が行く場所だと誤解されることがあります。これらの誤解は、生徒や保護者が転校を決断する際の心理的な障壁となることがあります。
通信制高校への転校では、まず現在の全日制高校で転校の許可をもらい、希望する通信制高校に申し込みます。必要な書類は、成績証明書などがあります。
申し込み後、入学試験や面接がある場合もあります。これらの手続きを経て、通信制高校からの入学許可が出れば、転校が決定します。このプロセスには数週間から数ヶ月かかることもあります。
転校を考えている生徒や保護者がさらに情報を得るためには、まず通信制高校の公式ウェブサイトを訪れてみると良いでしょう。ここには学校の特徴やカリキュラム、入学手続きの詳細が掲載されています。また、教育委員会や地域の教育相談センターに問い合わせることで、客観的なアドバイスや追加情報を得ることができます。インターネットや図書館でのリサーチも有効です。
転校についての相談をするためには、まず現在通っている学校の担任教師や学校のカウンセラーに話を持ちかけてみましょう。彼らは転校の手続きや注意点について詳しい情報を持っています。また、希望する通信制高校に直接連絡を取り、質問や不安について話すのも良い方法です。このようにして、転校に関する具体的な情報を集め、検討の手助けにしてください。
通信制高校にはどんな人が通うの?
通信制高校とは、全日制高校や定時制高校とは異なる方法で高卒資格を取得できる高校です。
不登校や中途退学経験者、特別な支援を要する生徒、帰国生徒・外国人生徒、経済的な困難を抱える生徒等、様々な困難や課題を抱える生徒達が通える学校です。
さらには、特定の職業分野等に関する知識及び技能等を重点的に学ぶことを希望する生徒、スポーツや文化活動、技能活動等に特に力を入れている生徒等、質の高い高等学校教育を柔軟に学ぶことができる環境を求める生徒も受け入れています。
必ずしも年度当初に入学する生徒のみならず、転入学・編入学等を通じて年度途中からの生徒でも入学出来ます。
入学条件
- 入学時に満15歳以上で卒業見込みの者。
- 年齢上限なし。
- 高等学校在籍・中退者で、転学、編入学(退学者の場合など)を考えている者。
- 事情により、全日制の課程に在学・在籍できない者。
- 事情により、定時制の課程に在学・在籍できない者。
- 上記以外に各学校設置者の規定及び判断により、年齢上限・性別などの入学条件が指示される(私立学校については、その裁量権が認められている)。
「添削指導」と「面接指導(スクーリング)」
添削指導とは主にレポート提出です。レポート提出は卒業には必須です。
面接指導(スクーリング)とは、学校が指定する場所で、教員と生徒によって学習活動・教育活動を行うことです。
通信制の課程における教育課程
各教科・科目の添削指導の回数及び面接指導の単位時間(1単位時間は,だいたいが50分)数の標準は、1単位につき下記の表のとおりとされるほか、学校設定教科に関する科目のうち普通教育に関するものについては、各学校が定めるものとされています。
各教科・科目 | 添削指導(回) | 面接指導(単位時間) |
---|---|---|
国語,地理歴史,公民及び数学に属する科目 | 3 | 1 |
理科に属する科目 | 3 | 4 |
保健体育に属する科目のうち「体育」 | 1 | 5 |
保健体育に属する科目のうち「保健」 | 3 | 1 |
芸術及び外国語に属する科目 | 3 | 4 |
家庭及び情報に属する科目 並びに専門教育に関する各教科・科目 | 各教科・科目の 必要に応じて2〜3 | 各教科・科目の 必要に応じて2〜8 |
(2) 学校設定教科に関する科目のうち専門教科・科目以外のものの添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については,1単位につき,それぞれ1回以上及び1単位時間以上を確保した上で,各学校が適切に定めるものとする。
(3) 理数に属する科目及び総合的な探究の時間の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については,1単位につき,それぞれ1回以上及び1単位時間以上を確保した上で,各学校において,学習活動に応じ適切に定めるものとする。
全日制より少ない授業で卒業できるの?
高校卒業の要件は、全日制・定時制・通信制各課程ほぼ共通です。
①74単位以上の修得
②通算3年間以上(全日制は3年間)の修学。
③3年間で30時間以上の特別活動への参加。
通信制高校の単位修得は自分で組み立てることができます。3年間均等の単位修得でも、自分のペースで年度ごとに増減があっても最終的に74単位以上修得できれば卒業できます。
74単位以上の修得
こちらは3年間で合計74単位を取得すれば高校卒業できます。
ちなみに転入学を検討している生徒は高校卒業が同級生と同じ年ではなくなるなどという不安があると思いますが、通信制高校は単位制ということもあり、前籍の高校で取得した単位は引き継げますので、今までの学習成果は無駄にならないので安心してください。
また、前籍の学校で全く単位が取れず、同級生と同じタイミングでの卒業を諦めている生徒さんも、通信制高校で学び、同級生と同時期に卒業しているので、自信を持って勉強に取り組んでください。
単位習得の流れ
- レポート(添削指導)
- スクーリング(面接指導)
- 単位認定試験
という流れになることが一般的です。
項目ごとの詳細については下記で細かく説明していきます。
レポート(添削指導)
通信制高校の単位取得で確実に必要になってくるがレポートです。
基本的な学習内容は同じですが、形式は学校ごとに異なります。
通信制高校は登校日数が少ないので学習が進んでいるかきちんと身についているか確認する為に
レポート提出が必要になります。
ただし、通信制高校には留年というものはないので、30個単位を取ろうとした中で単位を落としたとしても、次年度で単位を取得できれば、卒業が遅れることはありません。
スクーリング(面接指導)
こちらも1単位ごとの目安があり、具体的には1単位取るために50分のスクーリングに一回出席しなければなりません。
- まとめてスクーリングを行う【集中型】【合宿型】
スクーリングの通学日数は基本的に1週間に1度通学する必要があります。
年間日数でいうと、約50日が目安です。
あくまで目安ですので、学校によっては【週5で通う学校】【年に5日しかない学校】などさまざまです。
- もっと学校へ通うなら【通学型】スクーリング
通常の授業型のスクーリングは想像がつきやすいのではないでしょうか?
通学して授業を受けることが一般的なスクーリングです。
学校の規定に従って、登校日数が変わります。
先生から直接アドバイスがもらえるので、学習理解を深められます。
先生との距離も近いため、信頼関係を築きやすいです。
- あまりスクーリングに行きたくない場合は…
通信制高校は、あまり学校に通わずに卒業することができますが、それでもスクーリングの日数を0日にすることはできません。
特に地方の方は県外まで移動してスクーリングを受けに行かなければならない場合があります。親に負担がかかります。選ぶときは地元でスクーリングの少ない学校を探すのをおすすめします。
しかし、スクーリングの時間を可能な限り減らして卒業する学校はあります。
スクーリングの単位時間は、教科・科目によって異なります。つまり、スクーリングの少ない選択科目を選べば、それだけ履修する時間を減らすことができるのです。
特別活動とは
ホームルーム、文化祭や体育祭などの学校行事、入学式や卒業式などの儀式的行事、クラブ活動などのことです。
学校生活を通じて高校生として成長できるような機会や体験となるものです。
以上を踏まえて私たちの選んだ通信制高校は
私の娘は週2日のスクーリングコースを選びました。
ちょっとでも人とのコミュニケーションが必要かと思いますので、将来社会に出るなら、人と触れ合うことが大切かと思いまして選びました。ただ、娘は健康上の理由で通信制高校を選んだので、人との触れ合いが嫌ではありませんでした。
出来るなら、登校型の通信制高校をおすすめします。無理なお子さんは、自宅で出来る通信制高校でも構わないかと思います。
通信制高校のメリット
通信制高校のデメリット
まとめ
- 通信制高校には高校を中退した人、途中で転校を考えている人など入学できます。
- 途中からでも入学できます。
- 学校へ行かずに勉強が出来ます。
- 最終学校が中卒とあきらめているお子さんは頑張れば高校卒業の資格をもらえます。
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